作成日:2019/4/26
賃貸の更新のタイミングがくると、このまま賃貸に住み続けるか、購入した方が得なのか…と悩みますよね。
当社にも「家賃がもったいない」という理由でマイホーム購入の相談に来られるお客様が多くいらっしゃいます。でも、 家賃を支払い続けるのは、本当に損なのでしょうか…?
そこでこのコラムでは、賃貸物件に住む場合と、住居を購入する場合のメリット・デメリット を説明しながら、それぞれにかかる生涯コストの差額をシミュレーションし、徹底比較したいと思います!
それではまず、賃貸に住む場合のメリット・デメリットを見てみましょう。
賃貸に住んだ場合、子供の独立、親との同居などといった家族構成の変化に応じて住まいの広さを変えられます。また、転勤など暮らしの変化に応じて居住場所を変えられるので、持ち家と比較して身軽と言えますね。
持ち家の場合は、売却の手間やそれにかかる仲介手数料等の諸費用がかかります。賃貸なら解約手続きだけで済むので、持ち家と比較して、気楽に引っ越しができます 。
賃貸に住むことの最大のメリットは、このようにライフスタイルの変化に柔軟に対応できることと言えるでしょう。
また、ガスコンロ・給湯器・エアコンなどの住宅設備が故障した場合にも、貸主が修繕するため経済的負担がないのもメリットです。
ただし、メンテナンス費用、リフォーム費用がかからない分、賃料を払い続けても自分の資産として残りません。そして、賃料の支払いは住んでいる限りずっと続くため、老後の不安が残ります。
また、引っ越しの気楽さというメリットがある一方、老後に転居しようとしても入居審査が厳しくなり、引っ越し先が見つけづらくなることもあります。
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続いて、住居を購入する場合のメリット・デメリットを見てみましょう。
住居を購入した場合、購入した家を資産として残せることが大きなメリットです。賃貸の場合はいくら支払いを続けても自分の資産にはならないので、ここが大きな違いと言えますね。
そして資産になるということは、住宅ローン完済後に売却すれば、不動産を現金化することもできるということ。住宅価格動向によって売却価格は変わるので、住宅価格の下落リスクはありますが、売却価格がゼロになることはありえません。
住宅ローン完済後は住居費が抑えられるため、年金生活となる老後も安心ですね。
また、老後においては、売却で得た資金を老人ホームの入居費用にあてることもできます。
老人ホームにはさまざまな種類がありますが、高額なところになると入居一時金として数百万かかるところもあります。そのため「老後はマイホームを売却して老人ホームに入居する」という方も珍しくありません。
けれど、「人生最大の買い物」とも言われるマイホーム購入。決して安い買い物ではありませんよね。多くの方は、住宅ローンを利用して購入しますが、弊社のお客様から「事故や病気で万が一のことがあったら、住宅ローンは誰が払うことになるの?」という質問を受けることがあります。
実は、住宅ローンには、万が一のことがあった場合に残りのローン全額を保険金で弁済する保証制度(=団体信用生命保険)があります。
これに加入することで、残された家族の住居が確保される仕組みとなっているので、「家族のために備える」と考えると、マイホームの購入には大きなメリットがあると言えます。
ただその反面、家族構成の変化や、暮らしの変化には対応しづらくなります。いざ引っ越しをしようと思っても、賃貸物件とは違い、費用と手間、時間がかかるのです。
そのほかにも、住居を購入すると、住宅ローンの返済以外にも維持費用や税金がかかります。
土地・建物を所有することによって、固定資産税や都市計画税の納付義務が生じますし、設備が故障した際のメンテナンス費用、壁紙やフローリングの張替えといったリフォームの費用は、当然ながら自己負担。またマンションなら管理費や、修繕積立金が毎月かかります。
一戸建てなら積立金はありませんが、定期メンテナンスが必要とされる屋根や外壁の塗装費用などを計画的に用意しておく必要があります。
住宅ローンの返済が終われば住居費を抑えられるものの、このような維持費用・税金は引き続きかかるため、コストは決してゼロにはならないのです。
さて、ここまで賃貸と購入のメリットとデメリットを比較しましたが、やはり気になるのは、金銭面の負担ではないでしょうか?
それでは、賃貸と購入のメリットとデメリットをふまえた上で、35年間賃貸に住んだ場合と、35年ローンでマンションを購入した場合の価格をシミュレーションし、どちらが得か損か比較をしてみましょう。それぞれ毎月の住居費を15万円として比較してみます。
・家賃:15万×12ヶ月×35年=6,300万円
・更新料:15万×17=255万円
・支払総額:6,555万円
東京都23区で2LDKを借りた場合の平均費用を元に算出しました。月々の家賃に加え、2年に1回の更新料がかかる計算です。
・ローン返済額:月々12.8万円
・35年ローン支払総額:5,390万円(4800万円借入、頭金384万円の場合)
・管理費・修繕積立金:月々2.2万円×12ヶ月×35年=924万円
・固定資産税・都市計画税:年間12万×35年=420万円
・購入時諸費用(仲介手数料、登記費用等):384万円
・支払総額:7,118万円
2LDK・4800万円の中古マンションを35年ローン(変動金利0.675%)で購入した場合、購入時の諸費用の他に、管理費・修繕積立金、固定資産税・都市計画税がかかります。
このように、35年間の住居費を比べると、賃貸なら6,555万、マンション購入なら7,118万となり、差額は563万円となります。支払総額で見ると、賃貸物件に住んだほうが安く済むことがわかりますね。
これは、賃貸における費用は家賃と2年に一度の更新料だけなのに対し、マイホームを購入すると、住宅ローンと購入時の諸費用(仲介手数料、登記費用、不動産取得税など)のほか、管理会社に毎月支払う管理費、マンションを修繕するための積立金、所有している不動産に対してかかる固定資産税・都市計画税を支払う必要があるためです。
このとおり、35年間の住居費を比較すると、購入するより賃貸の方が圧倒的にコストを抑えられ、お得かもしれません。でも、35年目以降も住み続けることを考えるとどうでしょうか?
購入した場合は、管理費・修繕積立金、固定資産税・都市計画税の負担だけで済むのに対し、賃貸は家賃と更新料の支払いが続きます。
たとえば家賃15万円なら、2年間でかかる費用は375万円。住宅ローン完済後の住居費まで考慮すると、購入する方が総支払額を抑えられ、お得に転じるかもしれません。
ただし、35年を経過すれば住まいも当然古くなり、修繕費用がかかります。また、子供が巣立つなど、家族構成の変化に応じてリフォームする方もいるため、老後にどのような生活を送るのか、各自のライフスタイルによってかかる費用はさまざま異なります。
さて、ここまで賃貸と購入を比較してきました。
どちらかがよいのか、その結論は、どういうライフスタイルを望むかによって異なりますが、最後の参考として賃貸に向いている人、購入に向いている人の例をご紹介しましょう。
転勤が多い人や、同じエリアに縛られずに自由なライフスタイルを送りたい方は、気軽に引っ越しができる賃貸に向いているでしょう。
前述した35年間の住居費の比較からもわかるように、一定期間の住居費で比較すると賃貸の住居費のほうが安く済むので、いずれ実家を相続する予定の方は、賃貸で費用を抑えて、将来は実家に戻る方がお得かもしれません。
また、賃貸に住み続けるための必須条件としては、年金生活になっても家賃を支払えるだけの貯蓄・財力があることでしょう。
そして単身の方も、結婚などによって家族構成が変わる可能性があるため、引っ越しやすい賃貸が比較的向いていると言えます。
反対に、転勤の可能性が少なく住みたいエリアが決まっている人は、購入に向いていると言えるでしょう。
また、同居する家族が決まっている人も、購入に向いています。単身や、結婚したばかりの方は、将来の家族構成がどう変化するか予想することは難しいもの。もしマイホームを購入するなら、将来の転居に備えて、売却できる・賃貸に出せる可能性の高い物件を選ぶことが大切ですね。
そのほか、分譲マンションは、賃貸と比較して建物や設備のグレードが上がるため「キッチンやお風呂を広くしたい」「セキュリティの高いマンションに住みたい」などの要望がある方にも、購入はオススメと言えます。
リフォームも可能になるため、住居にこだわりのある方も、購入の方が向いているでしょう。
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以上、賃貸と購入の徹底比較でした。
不動産の購入は、大半の人にとって人生に一度の大きな買物。
賃貸がよいのか、購入する方がよいのか、結局のところ何が正解なのかは自分次第ですが、今回のコラムが参考になれば幸いです。
そして、自分にはどちらが向いているのか、もしお悩みの方がいれば、ぜひ住まいのミカタの不動産アドバイザーにご相談ください。
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