作成日:2019/08/15
マンションの代表的なデメリットといえば、「維持費用がかかる」「土地と比べて資産価値が落ちやすい」「隣人トラブルが起きやすい」の3つ。でもこれって本当にデメリットといえるのでしょうか?戸建てとマンションでお悩みの方にはぜひご覧いただきたい内容です。「マンションはデメリットだらけ!」とは思っていませんか?
マンションの代表的なデメリットとされているのは、次の3つの事柄ではないでしょうか。
・維持費用が高い
・資産価値が落ちやすい
・隣人トラブルが起きやすい
でもこれって、本当にデメリットといえるのでしょうか?
実は、これらのデメリットは戸建てにも当てはまることがあるんです。本記事では、マンションの本当のメリット・デメリットとともに、戸建てのメリット・デメリットについても解説していきます。ご覧いただければ、マンションと戸建てどちらを購入すべきかおわかりいただけるはずです。
まずは、マンションのデメリットとされる3つのことについて考察してみましょう。
マンションは、戸建てと違って管理費や修繕積立金が毎月徴収されます。管理費も修繕積立金もマンションによって金額は異なりますが、合わせて2~3万円にもなりますから非常に高額です。
ところで、管理費や修繕積立金が何に使われているかご存じですか?
まず管理費は、その名の通りマンションの管理に使われる費用。共用部の電気代や清掃費、その他、管理組合の運営などにも使われます。
マンションは戸建てに比べてセキュリティ面で安心ですし、居室内以外の清掃を自分でやる必要はありませんよね。エレベーターも快適で 、築年数が浅いマンションなら宅配ボックスもシェアサイクルなんかもあります。いわば管理費は、これらの「サービス」に対する費用。戸建てでホームセキュリティを導入するとしたら、マンションの管理費と同等かそれ以上の費用がかかりますし、もちろん外回りを清掃してくれる人なんていません。
一方、修繕積立金も読んで字のごとく、修繕のための積立費用です。マンションは、10~12年ほどに1度、大規模な修繕がおこなわれます。そのための費用を積み立てるために、住人から毎月修繕積立金を徴収しているのです。
戸建てには、修繕積立金はありません。でもだからといって、定期的なメンテナンスが不要なわけではありません。戸建てもマンション同様、およそ10年に1度はメンテナンスや修繕を施さなければ、住宅としての機能に支障をきたすといわれています。
管理費にしても修繕積立金にしても、マンションの管理組合が所有者に代わって費用を徴収したり、積み立ててくれたりしているだけのこと。「マンションだから維持費用が高い」「戸建てだから安い」と一概には言えないのです。
「戸建ては土地があるから資産価値の低下が少ない」と思っていませんか?たしかに土地は経年劣化しませんから、戸建ての場合は一定の資産価値が保てるとも判断できます。
しかし人口減少や少子高齢化、空き家問題などさまざまな問題が複合的に作用し、いわゆる「土地神話」は崩壊しつつあります。要は、土地の資産価値はこれからどんどん下がっていく可能性があるのです。
もちろん立地次第ではあります。でもそれはマンションにも言えることで、マンションも立地さえ選べは資産価値の低下は抑えることが可能。戸建てでもマンションでも、長期的な資産価値を考えた上で物件選びすることは同様に必要なことです。
むしろマンションの耐用年数は木造建築のおよそ2倍。戸建ての建物部分は20年で価値がゼロになるともいわれていますが、築20年のマンションならまだまだこれからといったところです。そう考えると、「マンションは資産価値が下がりやすい」とは一概にはいえませんよね。
マンションは壁や床、天井がお隣と密着していますから、騒音トラブルは起きやすいです。ここはデメリットであるといえます。
しかしトラブルになるかならないかは、こちらが常識的な範囲で生活してさえいれば結局は「お隣次第」なんです。戸建てでも、建売住宅などはとくに気密性が高くないので、声や物音は屋外に響きます。さらにお隣との距離もないですから、隣人トラブルになってしまうことは多くあるものです。
マンションも戸建ても、住んでからトラブルに発展させないようにするためには、事前の調査がものを言います。中古住宅ならば売主さんに隣人のことを聞いたり、管理組合や町内会でトラブル履歴なんかを聞いておくのもいいですね。新築住宅となるとなかなか難しいですが、その点は戸建てもマンションも一緒。たしかにマンションの方が騒音がトラブルになる傾向にありますが、対処の仕方次第でデメリットを解消することも可能なのです。
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・維持費用
・資産価値
・騒音トラブル
この3つは、考え方次第で戸建てにも言えることであり、必ずしもデメリットとはいえないことがおわかりいただけたと思います。
ではここからは、マンションの本当のメリットとデメリットを考察していきたいと思います。
まずマンションは、「生活のしやすさ」においては戸建てに勝るといえるでしょう。階段を昇り降りする必要もなければ、玄関に段差もほぼありません。小さいお子さんや高齢者にとってはとくに、マンションは暮らしやすい住まいであることは間違いありません。
ゴミ出しは24時間できるマンションが多いですし、不在のときには宅配ボックスで荷物を受け取ることも可能。忙しい共働きの夫婦にもやはり、メリットは大きいといえます。
先ほども触れましたが、セキュリティ面もマンションなら安心。戸建てでいくらホームセキュリティを配備しても、オートロックシステムがあるマンションの高層階に勝ることはありません。
マンションは、戸建て以上に資産としての流用性が高いといえます。つまり、貸しやすく、売りやすいのです。
戸建てといえば、若い夫婦や子供がある程度大きくなった家族が購入するものですよね。マンションはというと、家族の人数や年齢問わず需要があり、投資先としての需要にも期待できます。
もちろんマンションを「終の棲家」とすることも可能です。ただしその場合には、購入時の築年数には気をつけるようにしましょう。建築された年代が古ければ古いほど、マンションの寿命は短いものです。マンションの建て替えともなれば、1000万円前後の負担金がかかる可能性もあります。
ここからは、マンションのデメリットです。
まず1つ目のデメリットは、価格。同じ広さや立地条件で家を探すとした場合、「戸建てよりマンションの方が安い」と思っている方が大多数なのではないでしょうか?ただこれは一概にはいえず、近年はとくにマンション価格が高騰していますから、マンションと戸建ての価格差については条件によってしっかり見極める必要があります。
(出典:国土交通省)
上記グラフは、「不動産価格指数」の推移を表したものです。不動産価格指数とは、基準値に対して不動産価格の水準がどれくらい高騰・低落したかを数値化したものです。上記は、2010年の価格水準を100として、2019年4月までの推移をグラフ化しています。
一目瞭然で、黄緑のマンションの価格指数が右肩上がりなのがわかりますよね。青線が戸建て住宅ですが、若干の上昇はあるもののマンションの上昇率には遠く及びません。
近年は、東京オリンピック開催決定や低金利政策などの影響により、マンション価格が著しく高騰している時期。戸建てや土地についても上昇は見られますが、主に不動産投資の需要の高まりが顕著に見られている昨今では、マンションの高騰が目立っています。
マンションは新築・中古問わず価格が高騰しており、今の水準は昭和期のバブル並みです。新築マンションはもはや一般的なサラリーマンには手が届かない水準にまで達しているので、場所によっては「デメリット」というよりも選択肢に入れることさえ難しい状況になってしまっています。
暮らしの「自由度」でいったら、マンションは戸建てには敵いません。やはりマンションは複数の世帯が暮らす共同住宅ですから、ルールがあります。これを「管理規約」といいます。
マンションによって異なりますが、管理規約では飼育していいペットの大きさや楽器演奏の可否などさまざまなルールが定められています。近年では、ベランダはもちろん居室内ですら喫煙禁止になっているマンションもありますね。
管理規約上リフォームは禁止になっていないでしょうが、窓の方位や位置、配管の場所などの都合により、完全な自由設計というのはできません。注文住宅なら一から設計することができますし、既存住宅だとしても建て替えやリフォームの自由度はマンションに比べて非常に高いです。
間取りや天井高、解放感などのこだわりが強かったり、ルールに縛られたくないと考えたりする人にとって、マンションは不向きな住まいだといえるでしょう。
続いて、戸建てのメリットとデメリットを見ていきましょう。
冒頭で、「騒音トラブルは隣人次第」と言いましたが、それでもやはり戸建ての方がトラブルに遭遇する確率は少ないといえるでしょう。
とくに小さいお子さんがいるとマンションで気になるのが、足音。物音や声は戸建てでも屋外に響きますが、足音で騒音トラブルになることはまずありません。
マンションは、どの場所にも建てられるわけではありません。
街の中は「用途地域」という区画で仕切られており、地域ごと建物の制限が細かく決まっています。例えば「低層住居専用地域」となっている場所には、アパートほどの小規模な集合住宅しか建てることはできません。一方、「商業地域」や「工業地域」でのマンション建設は可能ですが、ホテルやパチンコ屋、映画館なども建てることができる地域です。戸建ては工業専用地域以外ならどこでも建てることができるので、静かな環境から利便性の高い場所まで選択できるといえるでしょう。
マンションは駅前などの立地を選ぶことはできますが、閑静な住宅地を好む人には不向きだといえます。
ここからは戸建てのデメリットです。
マンションの管理費や修繕積立金は、所有者に代わって管理や清掃、メンテナンスをしてくれるための費用だとお話しました。戸建てはこれらの費用が徴収されることはありませんが、その分、全て自分でおこなわなければなりません。つまり戸建ては「面倒」なんです。ゴミだって24時間出せるわけでないので、決まった曜日の朝、ゴミ捨て場まで持っていかなければなりません。外回りの掃除や庭のお手入れも必要ですし、建物のメンテナンス計画を自身で立て、費用を準備する必要もあります。また、ご近所づきあいが面倒だと感じる方もいるでしょう。
マンションに住んだ人は、戸建てに戻れないともよくいいます。それはマンションの方が楽だから。住まいに時間や手間をかけたくない人は、マンションの方が向いているかもしれませんね。
マンションと戸建ての両方に住んだことがある方はわかると思いますが、戸建ては冷暖房の効きが悪いんです。やはり気密性が高く、コンクリート造で住宅が密集しているマンションは、暖かくて冷暖房の効きもいいものです。浴槽も戸建てに比べると小さかったり、そもそもの住宅の広さが狭かったりするので、光熱費が圧倒的に安いんですね。
マンションから戸建てに引っ越すときは、光熱費の上昇分も加味しなければ大きな負担となってしまいます。
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マンションは、人によってはデメリットだらけかもしれません。しかし住宅におけるメリットとデメリットは、自分のものさしで測って判断すべきもの。他人からすればメリットである部分も自分にはデメリットかもしれないですし、またその逆も考えられます。
大事なのは、自分がデメリットだと考える部分をどのように解消するかです。例えばマンションの騒音トラブルが心配なら、隣にどんな人が住むかわからない新築マンションではなく、中古マンションにして上下左右にお住まいの方に会ってみるなど。いくらでも対処は可能です。
マンションであれ戸建てであれ、もしデメリット解消のための専門的なアドバイスを必要とされていたら、私たち「住まいのミカタ」のアドバイザーにご相談ください。後悔しないための住宅選びを、お客様目線に立って一緒に考えさせていただきます。