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不動産の登記費用はいくらかかる?中古マンション購入の場合

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作成日:2019/12/04

一戸建てやマンションなど形態に関わらず、不動産を自分の財産として所有した場合は不動産登記が必要になります。

不動産登記は土地や建物の所有者や所在地、面積などの情報を法務局が管理する登記簿に登録するものです。中古マンション購入の場合、前の持ち主から自分に所有権を移転するための登記を行なう必要があります。

この記事では中古マンションを購入する際の登記の手続きや諸費用について説明します。

目次

1)不動産登記とは

不動産登記は、簡単に言うと「不動産がどんな状態にあるのか、誰のものであるのかを明確化するためのもの」です。

登記は土地や建物の所在や面積、所有者の住所・氏名などを公の帳簿である登記簿に記載することです。登記簿の内容は一般に公開され、権利関係などの状況が誰にでも分かるようになっています。この制度のおかげで不動産の取引を安全・円滑に行うことができます。もし登記簿がないと、不動産の所有者や不動産の現況が分からなくなります。

不動産取引をする人は相手を見つけられなくなりますし、悪意を持った人間が、自分のものではない不動産を自分のものに見せかけて売るようなことも可能になってしまいます。登記簿があるからこのようなことは起こらず、所有者の権利も守られることになります。

したがって、不動産登記は不動産取引になくてはならぬ制度といえるでしょう。

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2)不動産登記簿の内容

不動産登記簿は法務省の地方支分部局である法務局が管理しています。

登記簿は所定の申請書を提出することで、誰でも登記事項証明書(登記事項の全部又は一部を証明した書面)や登記事項要約書(登記事項の概要を記載した書面)の交付を受けることができます。

「えっ、自分の土地・建物の情報が勝手に見られちゃうの?」と不安に思う人がいるかもしれませんが、登記簿は不動産の取引を安全・円滑に行うために整備されているものです。登記情報を所有者の許可なく書き換えることはできないので、悪用はできません。

登記簿は1筆(1区画)の土地又は1個の建物ごとに、表題部と権利部に分かれて作成されています。

表題部は、土地の登記については土地の所在・地番・地目(使用状況)・面積などが、建物の登記については、建物の所在・地番・家屋番号・構造・床面積といった情報が記録されています。

権利部は、さらに甲区と乙区に区分され、甲区には、所有者の氏名・取得時期・取得原因など、所有権に関する情報が記録されています。

乙区には、抵当権など所有権以外の権利について記録されています。抵当権とは、住宅ローンなどを貸し付ける金融機関が、その不動産を担保とする権利のことです。

3)不動産登記を行うのは義務?

不動産登記は、表題部については、行政部門が固定資産税などを徴収するために必要な情報なので、登記を行うことが法律で義務づけられています。所有権を取得してから1ヶ月以内に登記を行わなければ、10万円以下の過料に処されます。

権利部の登記は義務ではありません。登記を行うか行わないかは権利者の自由です。

ただし、登記を行わない場合、いくつかのリスクが生じます。

4)不動産登記を行わない場合のリスク

権利部の不動産登記を行わないと、次のようなリスクが生じます。

まず、第三者に所有権を主張できなくなります。たとえば、中古マンションをAさんから買ったとしましょう。

もし、Aさんが故意または誤って、あなたとは別の人のBさんとも売却契約を行なったとします。このような場合、所有権を主張できるのは先に契約を結んだ人ではなく先に登記を行った人です。もしあなたが先に契約を結んでいても登記を行わず、Bさんが契約後に先に権利部の登記を行なってしまうと所有権はBさんのものとなります。

次に、不動産を担保とする融資を受けられなくなります。通常、登記簿に所有者表記のない物件は権利関係が分からないので、トラブルになる可能性が高く、買い取りを嫌がられます。

つまり担保としての価値が非常に低くなります。融資する側にとっては債務者が返済できなくなって担保物件を売却する際に売れないリスクが生じますので、融資がしにくく、断られる可能性が大きくなります。

最後に所有者が特定できなくなります。不動産登記は不動産に関する取引をしたい人が見るものです。

登記簿に所有者の名前がないと、その物件の取引をしたくても、誰に声をかければよいのか分からなくなります。

行政部門も所有者が誰か分からないため、地域の開発などで土地の買収を行う場合に事を進めづらくなります。このように、権利部の登記をしないと自分を含めて色々な人が困ることになるので、自分の利益を守り不動産取引をしやすくするために、不動産を取得したら権利部も含めて登記を行いましょう。

5)中古マンションの登記にかかる費用

不動産の登記は本人が行なうこともできますが、複雑な手続きが必要なため、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

したがって、登記の手続きにかかる登録免許税と司法書士に支払う報酬の合計が、登記のための費用となります。

このうち、登録免許税の額は土地や建物の評価額に法定税率をかけたものです。決まった税率にもとづく費用なので、どの司法書士に依頼しても金額は同じになります。司法書士へ支払う報酬の相場は、約4~20万円です。かなり幅がありますが、登記に必要な書類の中で、住民票や印鑑証明書など自分で取得できるものは自分で揃えれば、その分費用は安くなります。

6)中古マンションの登録免許税の計算方法

中古マンションの登録免許税は以下のように計算できます。

まず土地の所有権移転登記税額は土地評価額の2%、建物の所有権移転登記の税額は建物評価額の2%、抵当権の設定登記の税額は借入額の0.4%です。抵当権は中古マンション購入のために住宅ローンを組んだときに金融機関などから設定されます。

また建物の所有権移転登記の税額は、一定の条件を満たせば軽減措置を受けられます。条件は、登記簿上の床面積が50平方メートル以上であること、築25年以内のマンションであること、2020年3月31日までに自宅として取得することの3点です。

これらの条件を満たしていれば、軽減措置により建物の所有権移転登記の税率は2%から0.3%に、抵当権設定登記の税率は0.4%から0.1%に引き下げられます。注意したいのは「登記簿上の床面積」です。これはマンションの場合、壁の内側で囲まれた「内法(うちのり)面積」を指します。マンションの広告などで表示されている面積は、壁の厚みの中心線で囲まれた「壁芯(かべしん)面積」なので、内法面積より少し広くなっています。このため広告表示では50平方メートル以上でも、登記簿上は50平方メートル未満となり、登録免許税の軽減が受けられないケースがあるので、内法面積で50平方メートル以上かどうかを業者に確認しましょう。

7)不動産登記を自分で行う方法

前述したように登記の手続きは司法書士など専門家に依頼するのが一般的ですが、自分で行うこともできます。自分で行なえば司法書士に払う報酬分の約4~20万円を節約することができるので、登記の知識があったり、多少時間がかかっても申請書の書き方を学びながら自分でやってみたいという人は試してみる価値はあります。

ただし、自分で登記を行えるのは、ローンを使わずに現金で一括購入する場合に限ります。金融機関のローンを利用して購入する人は、自分で登記を行おうとしても、登記が確実に行われず抵当権が設定されない可能性があるので金融機関に拒否されます。

自分で登記を行う場合に必要な書類は次のものがあります。

まず登記申請書は法務局のホームページから書式をダウンロードして作成します。オンライン上で直接申請を行うこともできます。次に登記識別情報で、書面かオンラインで取得を申請し、法務局の窓口やオンライン上で受け取れます。

最後に印鑑証明書、住民票、固定資産評価証明書で、現在自分が住んでいる市区町村の役所で取得します。全ての書類が揃い、記載すべき情報を記入し終えたら、揃えた書類を法務局へ提出して登記を申請します。

8)登記費用以外の諸費用

中古マンション購入時に登記費用以外にはどのような費用が必要なのでしょうか?契約時、決済時、入居後の3つに分けて説明します。

契約時にかかる費用

中古マンションの売買は、不動産会社に仲介してもらうのが一般的です。その場合は仲介手続きの報酬として仲介手数料を不動産会社に支払う必要があります。仲介手数料の上限は、購入代金の3%+6万円に消費税をかけた額と決まっています。売買契約時と決済時の2回に分けて半分ずつ支払うケースと、決済時にまとめて全額支払うケースがあります。その他に印紙税も必要です。印紙税は、収入印紙を購入して契約書に貼ることで納める税金のことです。中古マンションの場合、物件の売買契約書と、住宅ローンの契約書に貼る必要があります。

このうち、契約時には売買契約書のための印紙税が必要です。印紙税の額は契約金額によって変わります。契約金額が500万~1000万円の場合、売買契約書に必要な印紙税は1万円です。1000万~5000万円の場合は2万円かかります。ただし、2020年3月31日までは軽減措置が適用され、それぞれ半額になります。

決済時にかかる費用

決済時にも印紙税が必要です。住宅ローンの契約書に貼るための印紙税です。前述の売買契約書のための印紙税と金額は同じですが、軽減措置はありません。住宅ローンを使う場合は、ローンの手続きにかかる費用としてローン事務手数料がかかります。銀行によって額は異なりますが、3~20万円程度かかります。ローンを返済できなくなった場合に、保証会社に肩代わりしてもらうための費用であるローン保証料も必要です。金額は保証会社、借入金額、返済期間によって異なります。

また、住宅ローンのほとんどで火災や地震の被害を受けた時に補修費用を補償してもらうための火災保険への加入が義務付けられています。金額は補償の範囲や期間によって異なります。団体信用生命保険への加入もほとんどの銀行で義務づけています。

ただし、生命保険料はローンの金利に含まれるケースがほとんどですので、実際には決済時にかかる費用には入りません。

そして前述の登記費用が決済時にかかります。

入居後にかかる費用

入居後は主に購入したマンションにかかる税金を支払います。

まず固定資産税です。これは土地や建物の所有者に毎年課される税金です。固定資産税評価額の1.4%が基本的な額で、地域や土地面積によって上下します。中古マンションの場合は、前オーナーが支払っていた額を不動産会社に尋ねれば分かります。

次に都市計画税です。これは都市計画区域内の土地や建物に対して毎年課される市町村税です。固定資産税評価額の0.3%が基本的な額で、地域や土地面積によって上下します。これも前オーナーが支払っていた額を不動産会社に尋ねれば分かります。

最後に不動産取得税です。これは不動産を取得した時点で1度だけ支払う都道府県税です。不動産登記をしてから半年~1年後に届く納税通知書の内容にしたがって支払います。固定資産税評価額の3%が基本的な額で、中古マンションの場合、床面積や築年数に応じた控除を受けられます。要件は専有部分の床面積が50〜240平方メートルであること・新耐震基準に適合していることの2点で、建物については築年数に応じて最大1200万円まで控除できます。土地については45,000円、もしくは「1平方メートル当たりの固定資産税評価額×0.5×建物の床面積の2倍(最大200平方メートル)×3%」の多い方を控除できます。

9)新築マンションと中古マンションの購入費用の違い

基本的に、物件自体は新築より中古の方が安いのですが、購入にかかる諸費用は新築の方が安いです。

諸費用の合計は、新築が物件価格のおよそ3~5%、中古がおよそ5~8%です。中古マンションの場合、前述したように仲介する不動産会社へ支払う仲介手数料がかかります。

また、不動産取得税が新築より高くなります。さらに築25年を超える物件は登録免許税の軽減措置を受けられないため、登記費用も高くなります。あまり古い物件だと設備や内装のリフォームなどにも費用がかかります。

総合的に考えると、新築と中古のどちらが高いとも安いとも言えませんが、古すぎる物件(築25年を超えるようなもの)は避けた方が無難です。不動産会社と相談し、価格と内容のバランスがとれた物件を探すようにしましょう。

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中古マンションの購入には、登記費用を含む様々な費用がかかります。

全てを自分で計算するのは大変ですが、合計は物件価格の約5~8%と覚えておくとよいでしょう。登記の手続きは司法書士に任せられますし、物件探しや購入手続きは不動産会社に相談することができます。不動産会社の無料紹介サービスである「住まいのミカタ」を活用して信頼できる不動産会社を紹介してもらい、中古マンションの購入計画を立てましょう。

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この記事を書いた人

小池
住まいのミカタ アドバイザー 小池
賃貸不動産経営管理士、FP2級。不動産業界に携わって10年以上、大手不動産会社や大手会計系コンサル会社を経験し、お住い探しから資産コンサルまで色々な方のお手伝いをしてきました。これまでの幅広い経験をもとに、お会いする全てのお客様の人生の一助となれるよう、アドバイスさせていただきます。
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