更新日:2019/06/21
「中古マンションを購入するには、新築と違って仲介手数料3%+ 6万円?を払うのが一般的らしいけど、値引き交渉ってしていいの?相場ってどうなの?」
「仲介手数料無料っていう広告とかをみるんだけど、信じていいの??デメリットとかないの?」
中古マンションを購入するときには、さまざまな手数料がかかります。(ローン事務手数料や登記手数料など)
なかでも「仲介手数料」は諸費用において大きな割合を占めることが多いかつ無料なものから無料にできないものまで様々なパターンがあります。
今回は不動産仲介歴10年半の私、石井が中古マンションを購入するときに必ず耳にする仲介手数料にまつわる「無料のカラクリ」「値引き」「相場」「計算方法」を赤裸々に解説します。
※仲介手数料にかかわらず、失敗しないマンション購入をするためにはフラットな立場かつ信頼できる専門家に相談することが一番です。不動産営業マンでは信頼し辛い場合は、できれば友人知人の専門家(不動産会社や宅建士)がベストです。もし、友人知人で当てはまる人がいない方は、無料で質問や相談ができる「住まいのミカタ個別相談会」をご利用ください。(費用:無料、所要時間60分程度)
この記事の要点
"そもそも仲介手数料は誰に、なぜ払うお金なんですか?"
以前、このような質問を頂いたことがあります。
こちらの答えは、
仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸の契約をしたときに、不動産仲介会社に対して支払う成果報酬です。購入したい物件探しや売り主、買い主間の交渉などの手間を肩代わりしてくれたことへの料金として支払います。
成果報酬なので、不動産仲介会社に依頼して、マンションの内覧したから発生するものではありません。
また、中古マンションの売買において不動産仲介会社の収入源の柱は、仲介手数料です。
つまり、不動産会社からみるとあるお客のために物件を探して、いくつかお部屋の内覧をして、気に入ったものが見つかるまで繰り返しても、結果契約してもらえなければ売上は0円ということです。。
不動産営業マンは、仲介手数料をもらうために日々営業しているといっても過言ではありません。
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では、その仲介手数料、一体いくら支払えばいいのでしょうか?
実は仲介手数料額は法律(宅建業法)により上限額が決まっています。反対に、下限額は決まっていません。
つまり上限の範囲内であれば不動産会社で自由に決めることができ、上限金額の不動産会社から、無料の不動産会社までさまざまです。
上限はズバリ、これです。
【売買価格の3%+6万円+消費税】
もう少し細かく説明すると、宅建業法により定められている仲介手数料の上限は、売買価格400万円以上の場合、【売買価格の3%+6万円+消費税】となっています。マイホームを購入する場合400万円以上になることが多いと思います。ちょっとアバウトになってしまいますが、売買価格の約3.3%で覚えておけばオッケーです。
例:3,000万円のマンションを購入する場合
(3,000万円✕3%+6万円)✕1.08=1,036,800円
仲介手数料の相場をデータからお伝えすることは難しいですが、上限額の約3.3%であると考えられます。(2019年7月時点)
仲介手数料の金額が変わる主な理由は下記の4つです。
この中でも一番大きな理由は「不動産仲介会社ごとのルール」です。
現状、大手と言われる会社では上限の仲介手数料を取ることが多いです。それに対して、仲介手数料無料を売りにしている会社も近年増加しています。
大手に対抗するために、価格で勝負しているのが新しく参入してきた会社だったりするわけです。
ですが、取引件数はやはり大手の方が多いため相場は上限額の約3.3%になりそうです。
ここについては次でもう少し詳しく話をしていきます。
仲介手数料額に差がある理由は表向きの理由と裏事情があります。
表向きの理由は、「IT導入による効率化で人件費を削減している」「ネットだけの集客で店舗を構えていない」などです。最近は「仲介手数料無料!」や「半額です!」などと広告して、集客をしている不動産会社も増えてきています。
大手を始め、不動業界では上限額を請求する会社が多いため、安ければ安いほどおトクな気がするかもしれません。
しかし、不動産会社にとって仲介手数料が収入源の柱なのに、そんなに安くしてしまって大丈夫なのかと思いませんか?
その裏側もみてみましょう。
率直に言うと、
売り主からも仲介手数料がもらえる場合は、仲介手数料を無料にすることができます。
不動産仲介会社は物件の契約が決まると、実は、買い主側だけではなく同じく売り主からも、仲介手数料をもらいます。
売り主から直接委託を受けている物件であれば、その不動産会社は売り主からも手数料がもらえるため、買い主側の手数料を割引ができることがあるのです。
そのため、売主から仲介手数料がもらえる物件に限り、手数料の割引が可能となります。(不動産業界では買い主と売り主両方の契約をもっていることを両手といいます)
また、仲介手数料無料の場合は、その会社で直接委託を受けている物件かつ売り主から手数料をもらえる物件しか紹介できないこととなります。
はたして、仲介手数料は安ければ安いほうがいいのでしょうか?
さきほどのカラクリを知ると、手数料が安いからといって飛びついてしまうのは、注意が必要ということがわかります。
割引きが大きい会社にお願いしたものの、希望する物件情報がなかなか入ってこない。実はもっと条件にあう物件があったのに…なんてことになってしまう可能性もあります。
また、売買契約だけ終えて、ローン手続きや、引き渡しまでの注意事項や、ご案内を一切しない業者もいます。
更には無料と見せかけて、別の名目で費用を請求されたなどという話もあるので注意しましょう。
信頼できる営業と付き合うことがなにより大切です。
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”仲介手数料の値切りはできるのでしょうか?値引き交渉のいい方法ってありますか?”
これは気になりますよね。
答えとしては不可能ではありませんが、あまりこだわりすぎるのはかえってほしい物件が見つからないなどのデメリットがあるのでおすすめしません。
営業マンは仲介手数料をもらうために、お客様の手となり足となり、物件を探したり、物件の調査をしたり、契約の準備をしたりします。
仲介手数料は、良質な物件情報をたくさん持ってきてもらい、また交渉事や契約の準備、ローンの手配など営業マンにしっかり動いてもらうための経費であるととらえることもできます。
そしてなにより営業マンは他の顧客も同時に抱えているので優先順位があります。手数料の実入りがすくなるなる可能性のある顧客や、しつこい値引きで交渉が長引く顧客にはいい情報がながれにくくなることも考えられます。
物件価格の交渉など、別部分で得をする場合が多々あります。
“仲介手数料はいつどのように払えばよいですか?ローンに含めることはできますか?”
これは気にせず、盲点になってしまうことがあります。頭金に影響してくるので知っておくと良いポイントです。
支払うタイミングは不動産会社によって異なります。大きく3パターンです。
多いパターンは
2.引き渡し時に全額(ローン支払可)
3.引き渡しと売買契約時で分割(一部頭金要)
のケースです。
よい物件に出会えたときに、すぐにお金の準備ができなくて逃してしまうなんてことの無いよう、支払いのタイミングは前もって、不動産仲介会社に確認しておくようにしましょう。
併せて、上限額以上を請求されていないか、ローンが通らなかったなどで契約キャンセルとなったときの取り扱いについてもきちんと確認しておきましょう。
仲介手数料の「+6万円」とは何なのかという疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか?ここでは6万円の説明をしております。
豆知識に近いので、興味がない方は飛ばしてもらって結構です。
+6万円…何やらおまけの数字にも見えますが、これは実は速算式による調整額なのです。
先ほど、「売買価格400万円以上の場合、売買価格の3%+6万円+消費税」とお伝えしましたが、宅建業法では400万円以下の金額も含めて、下記のように定めています。
・200万円以下の金額:売買価格の5%+税
・200万円超え400万円以下の金額:売買価格の4%+税
・400万円を超える金額:売買価格の3%+税
この通り、価格によって利率が異なるのでこれを調整するために、6万円が存在し、少しややこしいです。
通常の計算式と速算式をわかりやすく図にしてみました。
上記図でわかるように、「6万円」とは、全体を3%で計算したときの4%、5%部分の差額、つまり調整額になるのです。
仲介手数料の基本知識から、裏のしくみまでお伝えしました。
仲介手数料の金額だけで判断するのではなく、その会社が信頼できる会社であるか、きちんと動いてくれる営業マンなのかどうかをよく見極めてみてください。
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