作成日:2019/07/31
マンション売却には滞りなく進めるための6つのステップがあります。具体的には、「事前準備・査定」「媒介契約」「売り出し」「内覧」「売買契約・引渡し」「確定申告」です。ここでは、その順序に沿って、想定される失敗例と合わせて説明していきましょう。
マンション売却には滞りなく進めるための6つのステップがあります。具体的には、「事前準備・査定」「媒介契約」「売り出し」「内覧」「売買契約・引渡し」「確定申告」です。ここでは、その順序に沿って、想定される失敗例と合わせて説明していきましょう。
マンション売却の最初には「事前準備・査定」があります。何事も最初が肝心ですが、マンションの売却については、とくに重要なステップです。ここでは、マンションの売却を決めてから、不動産会社の査定をもらうところまでについて考察します。
ちなみに、不動産会社の査定額とは、簡単にいえば「うちの会社ならこれくらいの値段で買主を探せます」という金額のことです。
不動産会社は、大きく分けて「買取」と「仲介」の2つの業務を行っています。
「買取」は、不動産会社自身が買主となり、対価を払って持ち込まれた不動産の所有権を得る行為を指します。これに対して、「仲介」は、持ち込まれた不動産について、不動産会社は買主を探すことで手数料を得ています。買取の場合は、会計上は不動産会社の資産が増えるのですが、うまく販売できるかどうかは未知数なので、リスクも増えます。
所有するマンションを有利な条件で売却したいのであれば、不動産会社には「仲介」を依頼するとよいでしょう。
よくある失敗例は、このような2つの業務の違いを知らずに、不動産会社に「買取」を依頼してしまうことです。たしかに、買取の場合は、条件が合えばすぐに売買契約が可能なので、売却に要する時間は一般的に短くて済みます。その点は売主としての利点ではありますが、相場よりも安くなることがほとんどです。
資産の現金化を急ぐなどの特殊な事情がない限り、「仲介」を依頼するのが得策といえます。
事前準備・査定における注意点としては「売却期間に余裕を持つ」ことです。
不動産は同じものであっても、タイミングによってその価値が変化するのです。所有するマンションの資産価値を最大限の状態で売却するには、時間的な余裕は不可欠といえます。この点でよくある失敗は、「売却期間に余裕がないことで、焦って安く売ってしまう」場合です。
焦って安く売ることは「売り急ぎ」とよばれます。これは買主側でも同じで、「買い急ぎ」は高い買い物になりがちです。
そのため、安く売りすぎない、あるいは高く買いすぎないために、売主も買主の両者とも時間をかけてタイミングを見計らうのが賢い不動産取引の基本といえます。一般的には、不動産の売却活動に要する期間は3カ月程度をみておいたほうがよいでしょう。
それ以前の準備期間や査定期間を含めた場合、4カ月または5カ月程度の時間的余裕がないと、資産価値が目減りする可能性があるのです。
「購入需要の高い時期を狙う」ことも、資産価値の目減りを最小限に抑えるためには重要なポイントです。
ものの値段の決まり方を経済学的に表現すれば、「需要」と「供給」がバランスする点で価格が決まります。購入需要が高い時期に商品の供給量が少なければ価格は上がるのです。不動産でいえば、多くの人がマンションを買いたいと考える時期に、売りに出されるマンション物件が少なければ価格が高騰します。
このとき、所有するマンションの売手個人としては、中古マンション市場への物件の供給量はコントロールできません。したがって、需要の高い時期を見定めることが高く売ることにつながるのです。
よくある失敗として、購入需要の低い時期に売却活動をしてしまうことで、なかなか買主が見つからないケースがあります。
たとえば、日本では多くの会社や学校の年度は4月から始まります。したがって、引越し需要は3月末がピークになり、マンションの購入需要はそれ以前になります。諸手続きの期間などを考えると、おおむね3月初旬から中旬が目安と考えてよいでしょう。
売却活動期間は標準で3カ月程度必要とすれば、この時期に合わせるには12月末から1月初旬から販売活動を開始するのが理想的といえます。なお、年度末の時期を逃してしまった場合の次の狙い目は下半期が始まる前の9月です。9月を狙う場合は、3月と同様に考えると6月末から7月初旬が販売活動を開始すべき時期となります。
マンションを高く売るコツのひとつは「複数の不動産会社から査定を出してもらう」ことです。
同じ不動産会社とはいっても、それぞれ得意分野があります。マンション売却は、買い物で複数の店舗を回って、買手に有利な価格設定の店で買うことに似ています。買手を売手に読み替えれば、同じ理屈といえるのです。中古マンション販売に関して、査定力があり販路を持っている会社であれば、高く買い取っても十分に利益を確保しつつ再販することができます。
会社による査定額の違いは社内や担当者の事情にも左右されるため、査定を出してもらわなければわかりません。可能な限り、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
なお、大手不動産会社に依頼した方が売れやすいかというと、販売ネットワークという点からはそれほど差がないと考えてよいでしょう。
不動産会社の物件情報は個別に収集しているわけではなく、ほとんどは同じ情報源を使っています。それは、国土交通省とその外郭団体が開発した不動産流通標準情報システムで、REINSと呼ばれています。不動産会社へ土地や建物の売買を依頼する際の契約形態によっては、このREINSへの情報提供が義務となっているのです。このシステムに登録された物件であれば、どの不動産会社に売却希望のマンション持ち込んでも、条件に合えば全国の不動産業者からの検索に対応できることになります。
よくある失敗としては、不動産会社の比較を十分に行わず売却活動を進めてしまうケースがあります。
REINSを使えば、全国規模の不動産市場で買い主を探すことができるのですが、査定額は不動産会社によって異なります。
つまり、どこに頼むかによって、売れる値段は大きく違ってくるのです。資産価値を損なわない好条件で取引をするために、必ず複数の不動産会社に査定を出してもらいましょう。さらにいえば、複数の会社からの査定額を比較すれば、相場感もつかむことができます。
売手としては、高い見積もりを出してもらうのはありがたいのですが、買手が見つけにくくなる可能性もあるので、相場を知っておくことは重要なのです。
事前準備・査定で最後の注意すべきポイントは、「査定の根拠を聞く」ことです。根拠を詳しく説明できるということは、物件の物理的価値と市場での相場について知識があることを意味します。査定に関してよくある失敗は、査定の根拠を聞かずに契約してしまい、契約後に査定額よりも安い価格で提案されてしまうケースです。とくに、担当営業が変更になった場合などにトラブルの原因になります。
魅力的な査定金額が提示されたときには、担当営業に査定の根拠を細かく聞いておくようにしましょう。質問するときのポイントは、周辺の類似物件の相場です。
担当営業から、面積、間取りや築年数など具体的な数字を元にして情報を引き出します。このとき、説明の根拠が曖昧な場合は、契約を取り付けたいがために高い査定額を提示しているだけかもしれません。なお、担当営業とは契約後定期的にやり取りをすることになります。このタイミングで、査定額だけでなく営業マンとしての信頼性、好感度も確認しておくことをおすすめします。
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マンション売却のステップの2番目は「媒介契約」です。事前準備・査定が終わって不動産会社が決まったら、契約を結びます。
まず、仲介してもらう会社とは「媒介契約」を締結することになります。不動産会社に土地や建物の仲介を依頼する契約を「媒介契約」とよびますが、これには「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類の区別があります。「一般媒介契約」とは、同時に複数の不動産会社と契約ができる契約のことです。
この契約形態の場合は、REINSに登録する義務はありません。また、不動産会社に任せるだけではなく、売手が自ら見つけた買手に売買契約を締結することも可能です。これを「自己発見取引」と呼びます。
一般媒介契約には、明示型と非明示型があり、諸事情により仲介を依頼していることを他の不動産会社に知られたくないときには非明示型の一般媒介契約にすればよいのです。「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」では、1社のみと契約を交わすことができます。
両者の違いは「専任」か「専属専任」かという点です。具体的には、自己発見取引、報告義務、REINSへの登録について異なります。
「専任」であれば自己発見取引が可能で、2週間に1回以上の売主への報告義務があり、契約締結後7日以内にREINSへの物件情報登録義務が発生するのです。一方、「専属専任」では、自己発見取引は不可となり、1週間に1回以上の報告義務、契約締結後5日以内の登録義務が課されます。要するに、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の順番で不動産会社に任せる割合が高くなるわけです。
媒介契約の種類の選択も「媒介契約」における注意点のひとつです。具体的には「専任」または「専属専任」の媒介で契約しましょう。
契約種別の選択でよくある失敗は、一般媒介契約で複数の不動産と契約し、各不動産会社の売却活動に熱意が感じられず、結果として買主がなかなか見つからないケースです。不動産会社からみれば、一般媒介契約は競合状態にあるため、最終的に買主を見つけて売買を成立させた会社のみ仲介手数料が得られます。
つまり、どれだけ熱心に販売活動をしても無駄になってしまう可能性があるのです。このような収益性の観点からのリスクが大きいので、どうしても販売活動の優先順位を上げにくい傾向にあります。買手を積極的かつ効果的に探す能力を持っているのは不動産会社です。
販売のモチベーションを高めることは、有利な条件での売却の可能性を高めることにつながります。
自己所有のマンションの売却について検討を始めたときには、まず友人や親族に売却する可能性を考慮しておくことも「媒介契約」における注意点のひとつといえます。よくある失敗例として、友人や親族が買主として名乗り出てくれても、すでに専属専任媒介契約を結んでいるというケースです。売手と買手がお互いによく知る関係での不動産取引は、安心で理想的です。
ただし、この例のように専属専任媒介契約を結んでいると、買手を自分で見つけたとしても、契約上は不動産会社に仲介手数料を支払う義務が発生してしまいます。すでに説明したように、専属専任媒介契約では自己発見取引ができません。対策としては、友人や親族などが物件を探していないかどうか、媒介契約を締結する前に十分に調べておく必要があります。
マンション売却の3つめの段階は「売り出し」です。大まかな手順としては、媒介契約を結んだら、マンションの売り出しを行います。
より多くの内覧希望者、および買取希望者を見つけられるかどうかが希望価格での売却成功の鍵になります。そのため、インターネット広告の掲載や、場合によっては価格の調整も必要になります。
価格設定の1つ目のポイントは、値下げ交渉があることを前提にして高めにしておくことです。
失敗例としてよくみられるケースは、売却希望価格と売却開始時の提示金額を同額として設定してしまい、実際の売却額が希望価格を下回ってしまう場合があります。マンションの売買においては、値引きは慣例的に行われるものです。さらに、販売金額も大きいので、値引額も大きくなってしまいます。金額設定時にその点を意識していないと、損失が出たようなマイナスイメージを感じるかもしれません。
重要なことは、値引きを防ぐのではなく、値引き交渉ありきで売り出し価格を練ることなのです。
買主の立場を考えると、値引き交渉に応じてもらえればお得感が出るため、財布の紐も緩むことでしょう。売手も買手も気持ちよく取引を進めるための工夫として、売却希望価格よりも高く販売を開始すれば、希望価格で売却しやすくなるのです。
価格設定の2つ目のポイントは、適正価格からかけ離れた金額に設定しないことです。不動産物件の価格は各種の条件によって変動します。
そのため価格を決める際は、自己都合だけではなく相場を意識する必要があるのです。価格設定のよくある失敗例に、少しでも高く売りたいがために、適正価格よりも高く価格設定をしてしまい、結果として売れ残ってしまうケースがあります。
たとえば、売却希望のマンションの適正価格が2500万円であったとします。その時点で住宅ローンが3300万残っていれば、売却金額をローン返済に充てるために売り出し価格を3300万に設定したくなるでしょう。
しかし、こうなると相場よりも800万円高くなってしまうので、買主の立場で考えると、割高なイメージを持つはずです。買主には売主の住宅ローン事情は関係ありません。特別な理由がなければ、800万円安い同条件の物件を選ぶことになり、いつまでたっても売れない可能性があります。適正価格からかけ離れた金額に設定しないための対策としては、物件の相場について営業担当と十分に協議することです。
また、自身でもネットで調べたり他物件の内覧に出かけたりして相場感を養っておくとよいでしょう。
売り出しの段階では、どのように集客力を高めるかも重要なポイントです。注意点としては、集客を任せきりにしないことが挙げられます。
集客に関してのよくある失敗は、集客を不動産会社に任せきりにしたため、買主がなかなか見つからないというものです。
不動産会社は、一般に複数の物件を抱えており、スタッフの人数は限られています。そのため、売れやすい物件の集客を優先的に行うことになり、問い合わせが少ない物件は後回しにされるのです。
不動産会社の営利活動としては合理的な判断なのですが、自身が仲介を依頼するマンションが後回し物件になってしまうのは売手として避けなければなりません。対策としては、不動産会社からの報告を待つだけではなく、売手側からも定期的に不動産会社と連絡を取り合うことです。さらに、自分自身も売却活動に参加するという積極的な意識を持つことも売却成功の秘訣といえます。たとえば、物件の広告情報に手を入れるだけでも効果が上がる場合もあります。
売り出しではインターネットを活用することが一般的です。
このとき、インターネットで掲示する広告には写真を多く載せることも買手への訴求力を高める効果があります。内覧希望者が増えない失敗原因としてよくあるのは、インターネット広告の写真の割合が少なく、購入希望者にイメージを伝えられないケースです。広告業界には「公知性」という概念があります。広く知られなければ、ものは売れないことを示す指標です。マンション広告の公知性を高めるには、写真が不可欠といえます。
購入希望者は、インターネット広告に掲載されている写真によって物件のイメージを膨らませます。そこで、快適な生活が想像できるような魅力的な写真を掲載する必要があるのです。イメージ喚起力が低い写真は内覧希望につながりません。
内覧希望者を増やすことは、売却の可能性に直結する問題です。不動産会社に任せきりにするのではなく、自分からも質の良い写真を増やす努力をしましょう。
売り出しの最後の注意点は、設備の状況についての告知を十分にすることです。
中古マンションの設備はクレームになりやすい部分なので、売却後に問題になる失敗がよく起こります。対策として、売主が「付帯設備表」および「告知書」を作成し、買主へ渡すのが慣例となっています。「付帯設備表」は、マンション設備の有無と不具合を記載してある書類です。
また、「告知書」は、物件が抱えている問題点が記載されています。問題点を法的には「瑕疵」とよびます。
これらの書類を作成する際には、実際に使ってみて動作確認をした結果を記載するようにしましょう。売主が知らない瑕疵を抱えたままの設備を引き渡すと、買主との信頼関係に影響することがあります。なお、売却後に発生したクレームは、仲介のみで契約した不動産会社では対応できない場合も多いのです。
マンション売却で実際に購入希望者が物件を実見する機会を「内覧」といいます。
売り出しによって内覧希望が入ると、購入希望者に現地まで来てもらい、実際の空間を体験して生活イメージをふくらませる効果があります。この内覧の際の営業担当の対応、および空間の見せ方は売却価格に影響します。購入予定者はなるべく安く手に入れようとして、値引き交渉で使えるポイントを探しながら実見するため、厳しい目で見ているからです。
自宅に来客を迎えるときも同じですが、よくある失敗として、内覧時に十分に部屋を綺麗にできていない場合があります。
同じ部屋でも、汚れていたり片付いていないと、内覧者に悪い印象を与えてしまうのです。
たとえば、築年数が古い物件でも手入れが行き届いていれば、それなりに良い印象が得られるものです。逆に、比較的新しくても汚れていれば古くて狭い印象を与えてしまいます。そもそも、内覧に招いているにもかかわらず、清掃されていないと常識を疑われかねません。
対策としては、最初の内覧の直前に清掃業者によるハウスクリーニングを入れるのもおすすめです。ほんの数万円ですが、清掃のプロに任せることで、値引き交渉をされにくくなったり、早く売れやすくなることを考えれば、コストパフォーマンスの高い投資といえます。
内覧とは「お客様候補」に対してプレゼンテーションする機会です。
たとえば、高級百貨店のスタッフが顧客に対してどのように接しているかを見れば、売主としてのふるまいの参考になるでしょう。
つまり、おもてなしの心を持つ必要があるのです。もちろん、売主が接客業に従事していない場合は、内観の際に受け入れ側としてどういった態度をとればよいかわからないのも無理はありません。悪気はないにせよ、内覧者に感じが悪い印象を与えてしまい、物件そのものの評価が低くなってしまうというのはよくある失敗です。
対策としては、笑顔を忘れず、フレンドリーな雰囲気を感じさせるように心がけましょう。マンションの内覧会なので「住む」ことに関連する話題なら自然な会話ができるはずです。周辺の環境や買い物の利便性などを説明すると、好印象につながります。もし、どうしても自信がなければ、内覧対応は不動産会社任せにしてしまい、自分はテレビを見て待っているほうがよい場合もあります。
いずれにせよ、内覧前にはスリッパを用意したり、部屋の空気を入れ替えたりするなど、基本的な「おもてなしの心」は持っておくようにしたいものです。
マンション売却でもっとも重要な段階は「売買契約・引渡し」です。売主と買主で価格や条件で合意できたら、売買契約を結びます。
その後に、引渡しをして、物件の譲渡は完了です。金銭の流れとしては、売買契約時に手付金として売却金の一部を支払い、その後残りの金額を支払って完了となります。
売買契約・引渡しでのもっとも注意すべき点は、契約書などの内容をきちんと理解しておくことです。
マンションの売買契約では、契約書に書いてあることが全てと考えましょう。契約書や重要事項説明書の内容を十分に確認せず、あとで「こんなはずじゃなかった」などと不動産会社にクレームを入れても原則的には通用しません。
売主としては、契約時に「売買契約書」に署名・押印をします。同時に、宅地建物取引士の資格を持った担当者から「重要事項説明書」の説明を受けます。重要事項説明書には、売買代金の支払い方法や万が一契約が解除になった場合などの規定が記載されています。不明な点や気になるところがあれば「押印前」にしっかり確認することをおすすめします。
売買契約の締結が済んだら、決済・引渡しまでの期間はなるべく短くしましょう。
売主としては契約が済んだのでひと安心なのですが、買主はスタートラインに立った状態といえます。新しいマンションでなるべく早く新生活が始められるように配慮するのも、買主に対しての「おもてなし」の一部でしょう。この期間は売主と買主双方の事情をもとに協議して決定するのが一般的なのですが、特別の事情がなければ、なるべく短くした方がよいのです。
火災保険の解約返還額や固定資産税の精算額が多くなるなどのメリットもあります。また、売買契約から決済・引渡しまでの期間を長く取り過ぎてしまうことで、買主の状況変化によってキャンセルが起こるリスクも避けられます。
物件の売却が完了したら、売却益の申告を忘れないようにします。不動産売却によって「売却益が発生した場合」、また「売却損の損益通算を受けたい場合」には確定申告を行うことが定められているのです。申告時期は不動産を売却した翌年の2月16日頃から3月15日の間になります。
マンションを高値で売却するためのコツとして、控除制度を活用する方法があります。
たとえば、居宅を譲渡した場合の特別控除を知らないと、本来必要のない税金を納めることになるため注意が必要です。まず、「居宅」を譲渡した場合の特別控除の要件を確認してみましょう。これは、住居を売ったときに、譲渡所得から最高3000万円を非課税になる制度です。
これを「「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除」といいます。
この特例を受けるための適用要件は、自分が現在住んでいる、または過去に住んでいた家を売ることです。過去に住んでいた家であれば、住まなくなった日から3年を経過する日を含む年の12月31日までに売ることが適用条件になります。
また、特例を受けるための適用要件として、売手と買手が親子や夫婦など特別な関係でないことも必要です。「特別な関係」には、生計を一にする親族や、内縁関係にある人も含まれます。詳細は国税庁のホームページで確認しましょう。
もう1つのマンションを高値で売却するためのコツは、居宅を買換えた場合の損益通算及び繰越控除の利用です。
この控除についても、知らないと不必要な納税をすることになります。正式には「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という制度を使う方法です。住んでいる家を売却して新たに購入した場合に、譲渡による損失が生じたときには、その損失分を他の所得から控除することができるのです。
この特例を受けるための第1の適用要件は、自分が現在住んでいる、又は過去に住んでいた家でなければなりません。
第2の条件は、新しい居宅を取得した年の翌年の12月31日までに、居住として利用する見込みがあることです。
要するに、投資目的などではなく、実際に住むための家であることが条件といえます。なお、損益が出た場合の確定申告、及び損益通算は義務ではないのですが、場合によっては節税効果があるので行った方がよいでしょう。
ここまで説明してきたように、マンション売却の際には非常に多くの注意すべき点があります。
失敗を避けるためには、自身で注意点を把握しておくことが基本になりますが、信頼のできる不動産会社とのパートナーシップも重要です。そのような会社と媒介契約を結んでおけば、各段階で必要な注意喚起を行ってもらえます。不動産会社選びを成功させるための具体的な方法としては、マンション売却の無料アドバイスサービスが挙げられます。
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そうすることで偏りのない信頼のおける情報提供が可能になるため、相談する側にとっては情報収集時間の短縮につながるのです。
たとえば一人で不動産会社を探すとすれば、一括査定サイトを利用するという方も多いでしょう。その結果、5社以上の不動産会社から何十件も営業電話がかかってくる…なんて事態になることも珍しくありません。さらに、その結果から「どの不動産会社に任せるべきか」を個人で判断するのは至難のわざ。
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ここで紹介したような優良不動産会社、および信頼できる営業担当者は、マンション売却を成功に導く2大要素です。このような力強いサポートによって、売却で注意すべき点を押さえやすくなるのです。
マンションの売却は大きな金額が動くため、失敗しないように注意点を確認しながら慎重に進めましょう。
満足のいくマンション売却を行うためには、売主自身で注意点をしっかりと把握することが基本になります。同時に、信頼できる不動産会社と営業担当者のサポートも不可欠な要素なのです。
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