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マンションの売却にはいくらの税金がかかる?税金の種類と節税のポイント

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作成日:2019/07/11

マンションを売却して利益を得た場合、必ず確定申告を行って税金を納めなければなりません。自動的に税金が徴収されるわけではないので、納税の時期になったら忘れずに手続きを行いましょう。今回は、いざ納税の時期が近づいてから慌てないよう、マンションの売却にかかる税金の種類や節税のポイント、大まかな税金の計算方法などを紹介していきます。

目次

1)マンションの売却にかかる税金の種類

ひと口に「マンションの売却にかかる税金」といっても、その種類は大きく2つに分かれています。1つ目は売却によって利益が出た場合にかかる税金、2つ目は利益がなかった場合でも必要となる税金です。それぞれ税額や内容が異なるので、どれを納めないといけないのか理解するためにも正しく知っておきましょう。

マンション売却に利益が出た時にかかる税金

自分が購入したときよりも高い価格でマンションを売却できた場合、差額分の利益を得ることができます。このようなケースでは、主に譲渡所得税や住民税、復興特別所得税などを納めなければなりません。それぞれどういった税金なのか、詳しく見ていきましょう。

譲渡所得税

日本では、所有する財産を売却して一定の利益が出た場合、税金を納める義務があります。マンションの売却においても例外ではなく、利益が出た場合は「譲渡所得税」を納めなければなりません。譲渡所得税は、その名の通り資産などの譲渡によって得た利益に対してかかる税金であり、国税のひとつです。一般的な給与所得や事業所得などとは分けて計算されるため、分離課税とも呼ばれています。自動的に徴収されるわけではなく、マンションを購入したときよりも高い価格で売却できたときには、自分で確定申告を行って納税しなければなりません。

譲渡所得税は、売却した価格から取得費や控除額などを差し引いた金額に、一定の税率をかけて算出されます。税率はマンションを所有していた期間に応じて異なり、5年以上の長期にわたり保有していれば15%、5年未満の短期所有の場合は30%となります。長く所有したマンションを売却したときのほうが、譲渡所得税は軽くなるというわけです。なお、所有期間は実際に売却した時期ではなく、売却した年の1月1日現在において5年以上となるか、または5年未満であるかが判断されます。譲渡所得税はマンション売却にかかる税金の中で最も高い額になるため、所有期間には注意したほうが良いでしょう。

住民税

マンション売却時に利益が出た場合、譲渡所得税と同様に「住民税」も納める必要があります。国税である譲渡所得税に対し、住民税は地方税のひとつです。都道府県民税と市町村民税を合わせたもので、その年の1月1日現在で居住していた地域で課税されます。譲渡所得税は確定申告を行ったときに納めるのですが、住民税はその場で納めるわけではありません。税務署に確定申告をしておけば、その情報が税務署から各自治体に回り、翌年の6月から納付することになります。所定の時期になると住民税納付書が送付されてくるので、それにしたがって金融機関などで支払いましょう。

住民税も、譲渡所得税と同様にマンションの所有期間によって税率が異なります。5年以上の長期所有の場合は税率5%、5年未満の短期所有の場合は税率9%となり、こちらも長期所有したほうが税額は軽くなります。

復興特別所得税

従来、マンションを売却して利益が出た場合に納める税金は譲渡所得税と住民税が基本でした。しかし、2013年1月1日より、ここに「復興特別所得税」が上乗せされることになったのです。「復興」という名称からもわかるように、この税金は東日本大震災の復興支援を進めるための財源として創設された新しい税制度であり、住んでいる地域などに関係なく納めなければなりません。実際に納める際は、所得税と併せて申告・納付を行います。復興のための財源確保を目的としているため課税期間は限定されており、2013年から2037年まで、基準所得税額の2.1%を納めることになります。

「所得全体に対して2.1%の税率がかかるのでは」と誤解している人も多いですが、課税対象はあくまでも所得「税額」です。たとえばマンションを1億円で売却し、取得費などを差し引いた譲渡所得は7000万円、それに税率をかけた基準所得税額は1000万円になったとします。2.1%の税率は所得である7000万円にかかるのではなく、所得税額である1000万円部分に課せられるため、復興特別所得税は21万円となるのです。

利益に関わらずかかる税金

マンションを売却した際に納めるべき税金は、利益が出たときだけではありません。利益の有無にかかわらず、「登録免許税」と「印紙税」は必ず納めなければならないのです。それぞれいくらかかるのか、具体的に見ていきましょう。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の所有者が変わったとき、つまり名義変更が行われた際に納付が義務付けられている税金です。不動産の名義は売買だけに限らず、相続や贈与などでも変わることがあります。どんな理由で名義が変わったかにより税率が増減するのが特徴で、売却の場合は固定資産税評価額×2.0%の登録免許税を納めなければなりません。たとえば、1000万円のマンションを売却した場合、登録免許税は20万となります。

なお、固定資産税評価額については、市町村が固定資産課税台帳を基準として算出します。固定資産課税台帳に不動産の所有者や比準価格などが詳しく記載されており、固定資産税を課税する場合に用いられるものです。不動産によっては固定資産税評価額が算出されていないこともありますが、この場合は登記所が認定した価格が用いられるので確認すると良いでしょう。

印紙税

利益の有無にかかわらず必ず必要になる税金のひとつに、印紙税も挙げられます。印紙税とは、商業取引に関連する文書に対して課される税金のことです。「なぜ書類に税金がかかるのか」と不満に感じる人もいるでしょうが、取引によって作成された文書には経済的な利益がかかわっていると見なされるため、課税対象になってしまうのです。また、課税対象となる正式な文書を作成することによって取引の事実が客観的に明確化され、法律面でも安定するという点も課税の根拠になっています。

マンションを売却する場合は、売買契約書に「印紙」を貼って納税することになります。税額は売買契約の金額によって変わり、たとえば100万円超~500万円の売買では2000円、500万円超~1000万円では1万円が必要です。1000万円超~5000万円の場合は2万円、5000万円超~1億円では6万円、1億円超~5億円では10万円と段階的に高くなっていきます。

ただし、2020年3月31日までは軽減税率が適用されているため、もっと安く済ませることができます。100万円超~500万円の売買では1000円、500万超~1000万円では5000円、1000万超~5000万円の場合は1万円、5000万超~1億円の場合は3万円と本来の印紙税の半額です。ただし、1億超~5億円という高額の取引では、半額ではなく6万円となっているので注意しましょう。

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2)マンション売却時の税金を左右する譲渡所得とは?

マンション売却で利益が出た際に納める「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」を算出するには、まず「譲渡所得」を求めなければなりません。譲渡所得の額によって納めるべき税額も左右されるため、慎重に計算する必要があります。譲渡所得は「売却価格-(取得費用+譲渡費用)」の計算式で求められますが、それぞれどんな費用を示すのか知っておかなければ正しい所得額は算出できません。具体的な費用を挙げながら解説していくので、税額を計算する際の参考にしてください。

取得費用と譲渡費用の内訳

マンションの取得と譲渡のためにかかった費用は、売却価格から差し引いて計算します。取得費用や譲渡費用をきちんと把握して計算に入れておけば、譲渡所得を低くして結果的に節税につなげることができるのです。そのためにも、何が取得費用や譲渡費用に含まれるのかを正しく知っておきましょう。

取得費用に含まれるもの

取得費用とは、その名の通りマンションを購入する際にかかった費用のことです。マンションそのものの購入代金はもちろん、不動産会社に支払った仲介手数料や所有者移転の登記費用、その他さまざまな税金などの諸費用が該当します。また、購入にあたってリフォームやリノベーションなどの工事を行っていた場合、その費用も取得費用として認められるので忘れずに計算に入れておきましょう。

ただ、長年住み続けてきたり、親から受け継いだりしたマンションを売却する場合、取得費用がわからないということもあります。このようなケースでは、売却によって得た金額の5%相当を取得費用と見なす「概算取得費」を用いるのが一般的です。マンションが1000万円で売却できたら50万円、3000万円で売却したなら150万円が取得費用として計算されます。なお、実際の取得費用が「売却によって得た金額の5%相当額」より低い場合は、実際の取得費用ではなく概算取得費を用いて譲渡費用を計算できるケースもあります。場合によっては概算取得費を用いたほうが節税につながるため、仮に取得費用がはっきりわかっていても、一度概算取得費を確認してみると良いでしょう。

譲渡費用に含まれるもの

譲渡費用とは、マンションを売却した際にかかった費用のことです。取得した際と同じく、不動産会社に支払った仲介手数料や所有者移転による登記費用、各種税金などの諸費用が該当します。また、賃貸に出していたマンションを売却する場合、貸借人がいれば立ち退いてもらわなければなりません。このときにかかった立退料や、丸ごと一棟所有していたマンションを取り壊す際の費用なども、譲渡費用の一種として認められます。

取得費用にまつわる減価償却について

譲渡所得を求めるにあたり、マンションの売却価格から取得費用を差し引くことができます。しかし、本来であればマンションの価値は時間の経過とともに落ちていくものです。取得した当時と売却するときとでは、同じマンションでも価値が変わっているため、当時の取得費用をそのまま売却価格から差し引くのがふさわしくないこともあります。このような価値の下落を減価償却といい、取得費用はマンションを購入した当時の価格から減価償却分を差し引いて算出する必要があるのです。

RC造のマンションは、減価償却の法定耐用年数が47年と定められています。減価償却費は、マンションの価格が1年に2.2%ずつ下がり、残存価格を10%と見なして「購入価格×0.9×2.2%×築年数」という計算式で求められます。

譲渡所得の計算実例

譲渡所得の計算方法をイメージするために、具体例を挙げて考えてみましょう。4000万円で購入した築年数10年のマンションを、4500万円で売却したとします。購入代金とは別に購入時の諸費用が200万円、譲渡費用は150万円かかりました。まず、取得費用を正しく算出するために減価償却費を計算しなければなりません。減価償却費は「購入価格×0.9×2.2%×築年数」で求められるため、4000万円×0.9×2.2%×10年=792万円です。これにより、売却時点でのマンション価格は4000万円-792万円=3208万円となります。つまり、取得費用は3208万円+200万円=3408万円という結果です。

マンションの売却価格は4500万円であるため、そこから取得費用3408万円と譲渡費用150万円を差し引くことになります。つまり、4500万円-(3408万円+150万円)=942万円が今回の売却における譲渡所得となるのです。

3)節税のポイント!自宅マンションの売却なら税金の軽減措置がある

普段自分が住んでいたマンションを売却する場合、税金の軽減措置が受けられます。自宅ではないマンションを売却する際と比べ、大幅に節税することができるので、税金の軽減措置について詳しく知っておきましょう。

譲渡所得3000万円の特別控除

自宅マンションを売却した際の税金の軽減措置として、最も知られているのは「譲渡所得3000万円の特別控除」です。税額を大きく左右する重要な軽減措置なので、内容をしっかり覚えておきましょう。

控除内容

一般的に、マンションを売却して得た譲渡所得には、所得税や復興特別所得税、住民税がかかります。しかし、自宅(居住用財産)として実際に住んでいたマンションを売った場合は、譲渡所得から3000万円を差し引くことが認められています。これを「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」と呼び、適用されれば税額は「(譲渡所得-3000万円)×税率」で計算できるのです。簡単にいうと、マンションを売却して得た利益が3000万円よりも低い場合、譲渡所得をもとに算出されるさまざまな税金はゼロとなります。せっかく売却できたのに、税金でお金をたっぷり持っていかれるのは納得できないと感じる人もいるでしょう。

この軽減措置が適用されれば、3000万円までは税金の心配をする必要もなく、譲渡所得をほぼそのまま自分のものにできるというわけです。3000万円以上で売却できた場合は金額に応じて税金がかかりますが、自宅用以外のマンションを売却する場合を考えると税金は大幅に低くなります。非常にメリットの大きい軽減措置なので、忘れずに申請するようにしましょう。

適用の要件

3000万円の特別控除の特例は非常にお得な軽減措置ですが、誰もが利用できるわけではありません。適用されるには、一定の条件を満たす必要があるのです。まず、自分自身がそのマンションに居住していること。いくら自宅だと言い張っても、実際にそこで暮らしていなければ適用は認められません。また、前年または前々年に、同じく3000万円の特別控除の特例を受けていないことも必要です。毎年のように特別控除を利用していると、「本当に自宅なのか」「最初から投資用だったのでは」と疑われてしまいます。

さらに、住宅ローン減税や買い換え特例、譲渡損失の繰越控除などほかの軽減措置を同時に受けていないこと、親子や夫婦間など特別な関係の相手に売却していないことも求められます。このほか、以前は居住していたものの、売却時には住んでいないマンションの場合、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却しなければなりません。3000万円の特別控除を利用したい場合は、これらの条件をすべて満たす必要があるので注意しましょう。

所有期間が10年超である場合の特例

10年以上の長期にわたり所有したマンションを売却する場合、3000万円の特別控除の特例以外にも軽減税率の適用を受けることができます。どんな特例なのか、どんな適用要件があるのかを見ていきましょう。

特例内容

10年以上所有している自宅マンションを売却する場合、所得税と住民税において軽減税率が適用されます。譲渡所得のうち、6000万円までの部分について所得税は譲渡所得×10%、住民税は譲渡所得×4%となります。特例を受けない場合、譲渡所得の税率は15%、住民税の税率は5%なので、譲渡所得によっては大きな節税になるでしょう。ただし、譲渡所得のうち6000万円を超える部分については、所得税は譲渡所得×15%、住民税は譲渡所得×5%となり、特例を受けない場合と同じになります。なお、3000万円の特別控除の特例との併用も可能なので、うまく活用していきましょう。

適用の要件

自宅マンションを10年以上所有した場合の軽減税率の特例についても、利用するにはいくつかの条件を満たさなければなりません。まず、売却した年の1月1日時点で、10年以上所有していることが大前提になります。いくら自宅用だったとしても、9年11カ月所有していたとしても、10年を超えなければ特例は適用されません。また、前年もしくは前々年にこの特例を受けていないこと、買い換え特例や譲渡損失の繰越控除など、ほかの特例を同時に受けていないことも必要です。さらに、以前居住しており、現在は住んでいないマンションを売却する場合は、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却しなければなりません。

親子や夫婦など、特別な関係の相手に売却した場合も特例を適用することは不可能です。これらの要件は、3000万円の特別控除の特例における適用要件とほぼ同じなので、あわせて覚えておきましょう。

買い換えの特例

新たにマイホームを購入するためにマンションを売却する場合、買い換えの特例により所得税と住民税を課税されずに済むことがあります。特例内容と適用要件について、具体的に紹介していきましょう。

特例内容

買い換えの特例とは、新しいマイホームを購入するにあたり、それまで住んでいたマンションを売却する場合に利用できる税金の軽減措置です。新たに購入した物件のほうが売却したマンションよりも高額だった場合、譲渡所得税と住民税の課税が免除されます。また、新たに購入した物件のほうが安かったとしても、将来その物件を売却するときまで課税時期を先送りすることも可能です。ただし、3000万円の特別控除の特例や住宅ローン減税との併用はできないため、どれを利用するのが最も節税になるか慎重に考える必要があります。

適用の要件

買い換え特例を利用するには、自宅マンションを売却した年の1月1日時点で、10年を超えて所有していることが求められます。また、売却価格が1億円以下であること、新たに購入した物件が土地面積500平米以下、床面積50平米以上であることも必要です。さらに、新たに購入した物件が新耐震基準に適合しているか築25年以内であること、マンションを売却する前年から翌年までの間に新たな物件を購入することなどの条件もあります。3000万円の特別控除の特例や所有期間が10年超である場合の特例と違い、親子や夫婦間など特別な関係の相手に売却しても適用を受けられる点が特徴です。近しい間柄の相手に売却する場合は、買い換え特例を検討すると良いでしょう。

4)マンションの売却で損失が出た場合の税金について

マンションを売却する場合、必ずしも利益が出るとは限りません。次は、売却により損失が出た場合の税金がどうなるのかについて解説していきます。

支払う税金

マンションの売却によって損失が出た場合も、不動産の売買である以上一定の税金を納める必要があります。とはいっても、売却で損失が出るということは譲渡所得がマイナスになるということなので、所得税や住民税、復興特別所得税は発生しません。登録免許税と印紙税の2種類を納めれば良いだけなので、税額としては軽くて済みます。登録免許税は所有者移転にともなう名義変更にかかる税金、印紙税は商業取引で作成される文書に対する税金なので、損失が出ようとも必ず支払わなければなりません。

譲渡損失の繰越控除

マンション売却によって損失が出た場合は、一定期間にわたり所得税や住民税を控除してもらえます。これを「譲渡損失の繰り越し控除」といい、うまく活用すれば損失をある程度カバーすることも可能です。どんな制度なのか、詳しく見ていきましょう。

控除内容

譲渡損失の繰越控除とは、マンションの売却において譲渡損失が出てしまった場合に、その後4年間にわたって所得税と住民税が控除されるという制度です。ただし、ほかの軽減措置と同様に、あくまでも自宅用マンションの売却が対象となります。投資用や住んでいないマンションの売却で損失が出たとしても、自宅用マンションの譲渡損失における繰越控除は利用できないので注意しましょう。適用要件をすべて満たした場合、譲渡損失とローンの残債のうち少ない方と同額を年間所得から控除し、所得税と住民税を節約できます。

適用の要件

譲渡損失の繰越控除を利用する場合、自宅マンションを売却した年の1月1日時点で、5年以上所有している必要があります。さらに、売却した時点で住宅ローンの残債があり、その額が売却価格を超えていることも条件です。住宅ローンの残債が売却価格より低いと、売却したお金でローンを完済することも可能になり、損失とはいえなくなってしまいます。また、年間所得が3000万円以下であること、親子や夫婦間など特別な関係の相手に対する売却ではないことも満たさなければなりません。

自宅マンションを売却した場合の計算実例

自宅マンション売却で損失が出た場合の税金について、具体例を挙げながら計算してみましょう。年間所得600万円の人が4000万円で購入し、10年間住んでいたマンションを2000万円で売却したとします。売却費用は70万円かかり、ローンは3000万円残っています。このケースでは、譲渡所得は2000万円-(4000万円+70万円)=-2070万円となるため、譲渡損失は2070万円です。3000万円残ったローンは売却価格の2000万円で支払い、残債が1000万円になりました。譲渡損失と比べるとローンの残債のほうが少ないので、年間所得600万円から1000万円を差し引いて-400万円となります。

この結果、マンション売却により損失が出たと判断されるため、譲渡損失の繰り越し控除により所得税や住民税は課税されません。サラリーマンの場合、これらの税金は給与から一旦源泉徴収されるため、控除分は年末調整で還付されることになります。

5)マンションを売却しても非課税となるケースとは

これまで解説した内容から、マンション売却時に登録免許税や印紙税は必ず必要になるものの、譲渡所得税や住民税、復興特別所得税は非課税になるケースもあることがわかりました。節税につなげるためにも、どんなときに非課税になるのか改めて整理しておきましょう。

まず該当するのは、マンションの購入金額よりも売却金額が安いケースです。所得税などは利益に対して発生するものなので、損をした場合は課税されるはずもありません。また、減価償却費控除後の取得価格よりも安く売却した場合も、利益が発生しないので非課税です。さらに、譲渡所得が3000万円以下の場合も、3000万円の特別控除の特例により実質的に譲渡所得が残らない状態になるので課税対象にはなりません。

6)自宅以外のマンションを売却した場合の税金はどうなる?

自宅マンションを売却した場合、税金についてさまざまな軽減措置を受けることができます。では、自宅以外のマンションだとどうなるのでしょうか。次は、投資目的や相続物件などのマンションを売却した場合の税金について解説します。

投資目的の物件を売却した場合

投資目的のマンションを売却した場合、利益の有無にかかわらず印紙税や登録免許税がかかるほか、「消費税」も納めなければなりません。個人の不動産投資は不動産賃貸事業を行ったと見なされるため、消費税の課税事業者となるのです。ただし、課税対象となる売上高が1000万円を超えない限り、課税の義務は課されないので消費税を納める必要はありません。

相続した物件を売却した場合

相続したマンションを売却した場合、譲渡所得が出れば譲渡所得税と住民税、復興特別所得税を納税する義務があります。このとき、相続した不動産の所有期間は相続してからではなく、元の所有者が所有していた期間となるので注意しましょう。譲渡所得の算出に必要な取得費用は、元の所有者が購入したときの費用を用いることができます。取得費用がわからないと売却価格がそのまま課税対象になってしまう恐れがあるため、できるだけ早く調査したり、概算取得費を用いたりしましょう。

7)マンション売却に関わる税金の納税時期

マンション売却で発生した税金は、それぞれ所定の時期に納める必要があります。うっかりしていると納税し忘れたり、思わぬ時期に支払いをしたりしなければならず、慌てることにもなりかねません。スムーズに税金を納められるよう、税金の種類ごとに納付時期を見ていきましょう。

所得税・復興特別所得税

所得税と復興特別所得税は、同じタイミングで納めることになります。マンションを売却した年の翌年3月15日までに確定申告を行い、税務署の窓口や金融機関などで支払いましょう。支払いは原則3月15日までに済ませますが、早く支払ったからといって税金が割り引かれることはありません。金融機関から自動的に引き落とされる「振替納税」を選択していた場合は、4月20日ごろに引き落とされます。少しでも支払いの時期を遅らせたいという人は、振替納税を申し込むと良いでしょう。なお、いつ引き落とされるかは年度によって異なるので、気になる場合は事前に税務署に確認しておくと安心です。

住民税

住民税の納税時期は、譲渡所得税や復興特別所得税とは少し異なります。マンションを売却した年の翌年6月から納税するため、確定申告した段階ですべて納めたと勘違いしてしまうと、3カ月後の住民税の納税で大慌てする可能性もあるのです。住民税の納税時期は少し遅いということを理解し、計画的にお金を準備しておきましょう。なお、住民税の納付時期は6月以降4回に分けられており、分割納付が可能になっています。もちろん、一括納付することも可能なので好きなほうを選びましょう。

登録免許税・印紙税

登録免許税・印紙税の納付時期は、確定申告のタイミングとは関係ありません。印紙税は、売買契約書を交わす時点で収入印紙を購入し、貼るだけで納付したことになります。どこかに申告したり、別途お金を振込んだりする必要はありません。「それなら支払わなくてもバレないのでは」と思いがちですが、税務調査などで自分はもちろん取引相手からバレてしまう可能性も十分にあります。マンション売却の取引金額を考えれば決して高すぎる税金ではないので、きちんと購入して貼っておきましょう。登録免許税は、所有者の名義変更登記を申請する際に、登記申請書に収入印紙を貼ることで納税できます。

8)マンション売却の税金は節税できる!無料相談を利用してみよう

マンションを売却した際の税金はいろいろとありますが、内容に応じてさまざまな軽減措置があるとわかったのではないでしょうか。工夫次第で節税することも可能ですが、あまり税金関連の知識に詳しくないと、どう手続きすれば良いのかもわかりにくいものです。そんなときは無料相談を利用するなどしてプロのアドバイスを受け、賢く節税していきましょう。

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この記事を書いた人

小池
住まいのミカタ アドバイザー 小池
賃貸不動産経営管理士、FP2級。不動産業界に携わって10年以上、大手不動産会社や大手会計系コンサル会社を経験し、お住い探しから資産コンサルまで色々な方のお手伝いをしてきました。これまでの幅広い経験をもとに、お会いする全てのお客様の人生の一助となれるよう、アドバイスさせていただきます。
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